最低賃金の今年度の引き上げをめぐる議論が週明けにも大詰めを迎えるのを前に、社会を支えるうえで欠かせない仕事をする、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちが最低賃金を引き上げるよう訴えました。
企業が労働者に最低限支払わなければならない最低賃金の引き上げをめぐっては、経営者側から新型コロナウイルスの影響が見通せないなどとして、今年度は凍結するよう求める声が上がっています。
厚生労働省の審議会で引き上げをめぐる議論が、週明けの20日に大詰めを迎えるのを前に、17日は全労連=全国労働組合総連合が都内で会見を開きました。
この中で、組合の担当者は、医療・福祉や卸売・小売など、感染のリスクを抱えながら社会を支えるために欠かせない仕事をする、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちの中には、最低賃金に近い水準で働く人が少なくないとして、引き上げの必要性を訴えました。
また、会見にオンラインで参加した、北海道の障害者支援施設で働く47歳のひとり親の女性は、勤続7年目で時給は最低賃金を60円上回る921円で、月の手取りは11万円ほどだということです。
女性は「毎日の利用者の検温など業務も増えているうえ、自分が感染したら子どものことをどうすればいいのだろうと不安を感じながら働いている。最低賃金を引き上げて待遇を改善してほしい」と訴えていました。
-- NHK NEWS WEB