業績が低迷している三菱自動車工業は、立て直しに向けて国内の生産体制を見直し、岐阜県にある子会社、「パジェロ製造」の工場での生産を止める方針を固めました。
三菱自動車は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで世界的に車の販売が大幅に減少したことから、昨年度の決算で最終的な損益が250億円余りの赤字に陥りました。
このため会社は国内の生産体制を見直してコスト削減を図るため、岐阜県坂祝町にある子会社、「パジェロ製造」の工場での車の生産を止める方針を固めました。
工場などで働くおよそ1000人の従業員は、配置転換などで雇用を維持したい考えで、生産している車種の一部を愛知県岡崎市の工場に移すことにしています。
この工場はかつて四輪駆動車ブームをけん引した「パジェロ」を長年、生産してきましたが、去年8月に国内向けの生産を終えました。
昨年度は主にミニバンや海外向けの「パジェロ」、合わせておよそ6万3000台を生産しました。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大による販売の落ち込みの影響もあって、今月はほとんどの日で生産を停止していました。
三菱自動車は、経営資源を主力の東南アジア市場に集中させるとともに、人員の再配置を検討していて、内容を詰めて、今月27日に公表する見込みです。
-- NHK NEWS WEB