アメリカ政府は、製薬大手ファイザーが新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、日本円でおよそ2100億円を支払い、1億回分のワクチンの供給を受けることでファイザー側と合意しました。
これはアメリカの製薬大手ファイザーが22日、発表しました。
それによりますと、ドイツの製薬会社と共同で開発しているワクチンについて、開発に成功し、緊急で使用する許可を得るか、アメリカFDA=食品医薬品局の承認を得た場合、アメリカ政府に1億回分を供給することで政府側と合意しました。
ワクチンはアメリカ国民に無料で提供されるということです。
アメリカ政府が支払うのは19億5000万ドル、日本円でおよそ2100億円で、アメリカ政府は当初の1億回分に加え、追加で最大5億回分の供給を受けられるということです。
このワクチンは初期段階の試験を終え、今月中により大勢の人を対象にした段階の試験に進む予定で、早ければことし10月にも承認の手続きに入ることを目指しています。
トランプ大統領は新型コロナウイルスのワクチンをできるかぎり早く国民に供給するため、製薬会社などに巨額の投資をすると表明していて、すでにイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」に12億ドルの資金を拠出して3億回分のワクチンを確保するなどしています。
アメリカ国内では感染拡大に歯止めがかかっておらず、トランプ大統領としてはワクチンの確保をアピールすることで、政権への批判をかわすねらいもあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB