ロシアの北極圏で生産されたLNG=液化天然ガスを積んだ砕氷タンカーが、アジアとヨーロッパを最短で結ぶ北極海航路を経由して、23日、初めて日本の港に入港しました。
23日、横浜市にあるLNGの受け入れ基地に入港したのは、海運大手の商船三井が中国企業と共同で保有する砕氷LNGタンカー、「ウラジミール・ルサノフ」です。
ロシア北極圏のヤマル半島にあるガス田から北極海航路を経由して、2週間ほどかけて到着しました。日本の港に砕氷LNGタンカーが入港するのは今回が初めてです。
タンカーは全長299メートル、幅50メートルで、北極海で氷を砕いて進むため、へさきがとがっていることや、厚い氷に阻まれたときに後ろ向きに進めるよう、後方にも操だ室が設けられているのが特徴です。
砕氷LNGタンカーは通常のLNGタンカーと比べて船体が重く、燃費が悪いことなどもあり、これまで北極圏のガス田からアジア方面に運航される機会は多くありませんでした。
ロシアの北極圏には膨大な量の天然ガスが埋蔵されているといわれ、ヤマル半島周辺では日本や中国、フランスなどの企業も参入してLNGの開発計画が進められています。
ロシアは砕氷タンカーから通常のタンカーにLNGを積み替える施設を、北極海航路が通るカムチャツカ半島に建設する計画をたてていて、日本をはじめアジア諸国へのLNGの輸出に力を入れる方針です。
-- NHK NEWS WEB