業績が低迷している三菱自動車工業は、岐阜県にある子会社「パジェロ製造」の工場での生産を来年6月末までに停止し、その後、閉鎖することを決めました。
三菱自動車は27日、2022年度までの中期経営計画を発表し、この中で、コストの削減を図るため、岐阜県坂祝町にある子会社「パジェロ製造」の工場での生産を来年6月末までに停止し、その後、閉鎖することを盛り込みました。
この工場は輸出向けの「パジェロ」などを生産し、国内生産のおよそ1割を占めていますが、最近は稼働率が下がっていました。
およそ1000人の従業員は、原則、配置転換などで雇用を維持したい考えです。
三菱自動車は今後、成長が見込める東南アジア市場に経営資源を集中し、販売が伸び悩むヨーロッパ市場では新型車の投入を凍結することも決めました。
オンラインでの記者会見で、加藤隆雄CEOは、「全方位の拡大戦略を進めた反省をもとに不退転の決意で構造改革を実行する」と述べました。
合わせて発表した先月までの3か月間の決算は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが前の年の同じ時期と比べて57%少ない2295億円となったほか、最終的な損益は、構造改革の費用を計上したことなどで前の年の黒字から一転して1761億円の赤字となりました。
来年3月までの年間の業績も3600億円の最終赤字を見込んでいて、厳しい見通しとなっています。
-- NHK NEWS WEB