日産自動車は今年度1年間の業績見通しを発表し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界的に販売が落ち込んでいるため、最終的な損益を6700億円の赤字としました。2期連続で巨額の最終赤字となる、厳しい見通しです。
日産が28日発表した、ことし4月から先月までの3か月間の決算は、売り上げが前の年の同じ時期と比べて50%少ない1兆1741億円で、最終的な損益は2855億円の赤字でした。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界的に自動車の販売が落ち込んでいるためでこの時期の最終赤字はリーマンショック後の2010年3月期以来、11年ぶりです。
また、日産はこれまで「未定」としていた来年3月までの1年間の業績見通しを公表し、売り上げは前の年度より21%少ない7兆8000億円、最終的な損益は6700億円の赤字になるとしています。
最終的な損益が6712億円の赤字だった前の年度に続いて、ゴーン元会長が再建に向けた改革を行った2000年3月期に匹敵する巨額の赤字となる厳しい見通しです。
これに伴って株主への年間の配当を見送るとしています。
会社は、ことし5月に発表した構造改革の計画を進めて立て直しを急ぐ方針で、内田誠社長はオンラインで行った記者会見で「厳しい環境だが、復活に向けて妥協せず、覚悟をもって取り組んでいきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB