アメリカ政府は、イランの核開発問題をめぐる最終合意に基づき、ヨーロッパの大手航空機メーカーのエアバスに対し、旅客機100機以上のイランへの売却を承認しましたが、共和党は反発を強めています。
核開発問題をめぐる最終合意で、イランはアメリカなどから受けていた経済制裁が解除され、航空機の機体や部品を輸入できることになり、ことし1月にヨーロッパの大手航空機メーカーのエアバスとの間で旅客機を購入する契約を結んでいます。
しかしエアバスの機体はアメリカ製の部品が使われていることから、売却にはアメリカ政府の承認が必要で、その判断が注目されていましたが、ロイター通信などは、アメリカ財務省が22日までに、旅客機106機について売却を承認したと伝えました。
これについてアメリカ国務省のカービー報道官は、22日の記者会見で、売却の承認はイランとの核合意に基づき行われたとしたうえで、「この合意はイランの核兵器をなくすためのすばらしい合意であり、今後も実行していく」と述べました。
しかし、イランの核合意に対しては、議会で多数派を占める共和党は反発しており、先週、議会下院は「イランに売却した旅客機が軍事目的に使われる可能性がある」などとして、旅客機の売却を阻止する法案を可決するなどオバマ政権への圧力を強めています。さらに、トランプ次期大統領はイランの核合意を破棄することも示唆し、オバマ大統領が「政治的遺産」と位置づける合意を次の政権でも維持できるか、不透明な状況となっています。
-- NHK NEWS WEB