公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、去年10月から12月までの運用実績が、アメリカのトランプ大統領の経済政策への期待感を背景に株高や円安ドル高が進んだことなどから、四半期としては過去最高となるおよそ10兆5000億円の黒字になったと発表しました。
公的年金の積立金を運用しているGPIFは3日午後、去年10月から12月の運用実績を発表しました。それによりますと、積立金全体の収益は10兆4973億円の黒字で、収益率はプラス7.98%でした。
これは、独立行政法人による自主的な運用が始まった平成13年以降、四半期としては平成25年1月から3月のおよそ7兆6000億円を上回る過去最高の運用益となります。
市場運用分の内訳を見ますと、国内株式が4兆6083億円の黒字、外国株式が4兆8213億円の黒字、国内債券が5190億円の赤字、外国債券が1兆5762億円の黒字などとなっています。
これにより、GPIFが運用する積立金の総額は144兆8038億円になりました。これについてGPIFは「アメリカのトランプ大統領の経済政策への期待感の高まりを背景に、株高や円安ドル高が進み、良好な市場環境が続いたことから大きな収益につながった。一方、短期的な変動にとらわれず、世界経済はさまざまな難しい問題も抱えているので、運用に慎重を期していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB