世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、外国に赴任している日本人駐在員の間では現地の医療体制への不安などから駐在を中断して一時的に日本に退避する動きが進んでいます。しかし、一部の国では、外国人がいったん出国すると再び入国することが事実上制限されていることから現地で業務を続けるためとどまる人も多く、日本人駐在員たちは難しい選択を迫られています。
世界では新型コロナウイルスの水際対策として外国人の入国を拒否している国が多く、感染者数の上位5か国に限ってもインドとロシア、それに南アフリカでは出国した外国人の再入国が事実上制限されるなど難しくなっています。
これらの国々は近年、新興国として注目され、日本企業が進出し、多くの日本人が駐在していますが再入国の制限があるため、いったん出国すると戻ってくることができなくなります。
実際に日本に退避した駐在員からは時差がある中、現地スタッフとの意思疎通がうまくいかなかったり、技術職の日本人が現地にいなくなることで生産に支障をきたしかねないという声が出ています。
このため、多くの駐在員たちは現地での業務を継続させるため、感染の不安を抱えながらもとどまり続けているのが実情です。
世界で新型コロナウイルスの感染が広がり続ける中、再入国が事実上制限されている国の日本人駐在員は感染への不安と業務継続とのはざまで難しい選択を迫られています。
-- NHK NEWS WEB