鉄鋼最大手の日本製鉄は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界的に鉄鋼の需要が落ち込んでいることなどから、ことし4月から来月までの半年間の業績の見通しについて、最終的な損益が2000億円の赤字を見込んでいることを明らかにしました。
日本製鉄は4日、ことし4月から6月までの3か月間、第1四半期のグループ全体の決算を発表しました。
それによりますと売り上げは前の年より25.7%減って1兆1316億円、最終的な損益は420億円の赤字で、第1四半期の決算としては2012年10月に今の会社が発足して以来、最大の赤字となりました。
これは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で主力の自動車などの生産が落ち込み、世界的に鉄鋼の需要が減少していることによるものです。
さらに、来月までの半年間の業績の見通しについて、最終的な損益が2000億円の赤字に膨らむ見通しだと明らかにしました。
4日の電話会見で日本製鉄の宮本勝弘副社長は、「感染拡大で事業環境はリーマンショックの時よりも厳しい。自動車向けに付加価値の高い製品の生産を強化するほか、生産能力の削減の前倒しを検討するなどして、黒字への転換をはかりたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB