韓国での最新の迎撃ミサイルシステムの配備に反発している中国政府が、報復措置として、自国の旅行会社に韓国旅行の取り扱いをやめるよう指示したと伝えられ、韓国外務省は「事実なら不合理な措置だ」として、強い遺憾の意を示しました。
韓国政府は北朝鮮の核やミサイルの脅威に対抗するため、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を年内に配備する計画で、中国政府は中国軍の監視につながるなどとして強く反発しています。
これに関連して、韓国メディアは2日夜、「中国政府が報復措置として、旅行会社に韓国へのツアー旅行の取り扱いをやめるよう指示した」と、一斉に伝えました。
韓国を去年、訪れた外国人観光客は1720万人で、このうち中国人が804万人と半分近くを占めているだけに、旅行が制限されると韓国の観光産業は大きな影響を受けると見られます。
韓国外務省は3日午後、「報道が事実である場合、正常な人的交流までも人為的に制限する不合理な措置であり、非常に遺憾だ」というコメントを発表しました。
また、これに先立ち、パク・クネ(朴槿恵)大統領の職務を代行しているファン・ギョアン首相は3日の与党幹部との会談で、THAADに関して、「中国の反発が強まることが予想されている。中国側の措置を注視し、意思疎通を強化していく」と述べ、配備計画は変更せず、中国側の理解を求めていく方針を示しました。
-- NHK NEWS WEB