アメリカの原子力事業で巨額の損失を計上する東芝は、主力の半導体事業を分社化して株式の売却で得る資金を経営の再建に使う方針です。東芝はこの交渉に名乗りをあげている複数の投資ファンドやメーカーに対して、過半数から100%の売却を条件として提示したことが明らかになり、1兆円以上の確保を目指して今月末に最初の入札を行うことになりました。
東芝は、アメリカの原子力事業で7000億円を超える損失を計上することになり、利益の大半を稼ぎ出している記憶用の半導体、フラッシュメモリーの事業を分社化して新会社の株式を売却し、経営の再建に使う方針です。
関係者によりますと、東芝は、この売却交渉に名乗りをあげている複数の投資ファンドやメーカーに対して、3日までに具体的な入札の条件を提示したことがわかりました。
この中で東芝は、新会社の株式の過半数から100%までを売却するとしています。
そのうえで、三重県にある四日市工場など拠点の再編や、現在の経営陣と従業員の取り扱いについて計画を示すことを求めています。
さらに、少しでも早く資金を確保したいとして、事業で競合する場合に各国の独占禁止法を扱う当局の審査をクリアして、来年3月末までに株式の売却を完了させることを求めています。
東芝は、こうした条件のもとで、1兆円以上の資金の確保を目指す方針で、今月29日に最初の入札を行うことにしていて、経営の立て直しの要となる半導体事業の分社化に向けた交渉が本格化することになります。
-- NHK NEWS WEB