公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、ことし4月から6月の運用実績が、過去最大の12兆4868億円の黒字となったと発表しました。
公的年金の積立金を運用しているGPIFは、7日、今年度の第1四半期=ことし4月から6月の運用実績を発表しました。
それによりますと、期間中の積立金全体の収益は、12兆4868億円の黒字で、収益率はプラス8.30%でした。
1月から3月までの前の四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な株安などで、過去最大の17兆7072億円の赤字でしたが、4月から6月にかけては、国内外の株価が大幅に上昇したことから、黒字に転じ、黒字幅は過去最大となりました。
市場運用の資産別にみますと、
▽国内株式がプラス10.95%、
▽外国株式がプラス19.99%、
▽国内債券がマイナス0.46%、
▽外国債券がプラス3.45%などとなりました。
これにより、2001年度に市場での運用を始めてからの累積の収益額は、70兆245億円、収益率はプラス2.97%となり、GPIFが運用する積立金の総額は、ことし6月末現在で162兆926億円となりました。
GPIFは「新型コロナウイルスを封じ込めるための施策が、各国で徐々に解除に向かい、経済活動の再開や各国政府の手厚い財政政策などを受けて、国内外の株式市場は大幅な上昇となり全体の運用実績はプラスとなった。今後も長期的な観点から運用を行い、年金財政に必要な積立金を残すために、しっかりと責任を果たしていく」としています。
-- NHK NEWS WEB