民間の銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、先月(7月)は572兆円余りと過去最高の水準に達し、新型コロナウイルスの影響を受けた企業への融資が急速に増えています。
日銀が11日発表した「貸出・預金動向」によりますと、全国の民間銀行と信用金庫の企業や個人向け融資の残高は、先月1か月間の平均で572兆7058億円と、比較が可能な2000年以降で最も高くなりました。
去年の同じ月を6.3%上回り、増加率も過去最大となりました。
金融機関は新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しくなっている企業や個人事業主への融資を増やしていて、ことし5月からは政府の経済対策に伴う実質、無利子無担保の融資も始めています。
日銀は「中小企業向けの実質、無利子無担保の融資が特に増えた。ペースは徐々に鈍化すると見込まれるが、当面、増加する見通しだ」と話しています。
感染の拡大や外出自粛の影響で、多くの中小企業で売り上げが元の水準に戻っていないため、金融機関にとって資金繰りの支援が引き続き課題となりそうです。
一方、民間銀行への預金の残高は、現金10万円の一律給付を受けて、先月1か月間の平均で786兆1232億円と去年の同じ月を8.3%上回り、上げ幅は過去最大となりました。
-- NHK NEWS WEB