東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループは、一瞬で大量の株式を売買する超高速取引などに対応するため、世界の証券取引所で初めて、不正な取り引きを監視する業務に、ＡＩ＝人工知能を導入することになりました。
東京株式市場では、数千分の１秒で大量の株式を売買する超高速取引の広がりで、１日当たりの売買注文が多い日で９５００万件と、この５年で１０倍近くに急増しています。
日本取引所グループでは、株価を意図的に動かす相場操縦などの不正な取り引きがないか、１５人の担当者が監視にあたっていますが、取り引きの急増で、すべての注文を細かく分析することが難しくなっています。
このため、新年度（平成２９年度）中に、不正な取り引きを監視する売買審査の業務に、ＡＩ＝人工知能を導入することを決めました。
今回、導入するＡＩは、大量の注文の中から不正な取り引きを発見する初期段階の調査を、現在の２０倍程度のスピードで行えるうえ、みずから学習して、作業の精度を高めることができるということです。
売買審査の業務にＡＩを導入するのは、世界の証券取引所で初めてだということで、日本取引所グループでは、審査の担当者は、不正が疑われる取り引きをさらに詳しく調べる作業に専念し、監視の精度を一段と高めたいとしています。
-- NHK NEWS WEB
