定食チェーンを展開する「大戸屋ホールディングス」は、食品宅配大手の「オイシックス・ラ・大地」との業務提携を発表し、冷凍食品のネット通販などで売り上げの増加を目指すと明らかにしました。経営方針をめぐって筆頭株主のコロワイドと対立する中、みずから経営改善を進める姿勢をほかの株主に示すねらいもあります。
発表によりますと、大戸屋ホールディングスとオイシックス・ラ・大地は業務提携し、両社が共同で開発する冷凍の総菜や弁当などを、ネットで販売します。
今回の提携で大戸屋は、店舗以外での販売を強化する一方、オイシックスとしては取り扱う商品の多様化を図るねらいがあり、両社は3年から5年後には年間30億円の売り上げを目指すとしています。
大戸屋は、メニューの値上げや新型コロナウイルスの影響で去年2月以降、売り上げの低迷が続き、14日に発表したことし6月までの3か月間の決算では売り上げが31億円と48%減少したほか、最終的な損益も15億円の赤字となりました。
大戸屋をめぐっては、筆頭株主で外食大手のコロワイドが子会社化することを目指し、先月からTOB=株式の公開買い付けを実施していますが、大戸屋はこれに反対し両社の対立が続いています。
大戸屋としては、業務提携でみずから経営改善を進める姿勢をほかの株主にアピールし、TOBに対抗するねらいもあり、株主からの理解を得られるかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB