政府が導入を目指している罰則つきの時間外労働の上限規制をめぐる労使間の協議で、連合は、繁忙期の上限を決めるのに先立ち、過労死対策の充実を法律に明記することも含めて対応を示すよう求めており、対策強化の具体化が協議の焦点となっています。
政府が導入を目指している罰則つきの時間外労働の上限をめぐる労使間の協議で、経団連と連合は「年間720時間」とすることは容認する姿勢を示していますが、繁忙期の上限については、意見の隔たりが埋まっていないことから、協議を続けています。
協議の中で、経団連は、繁忙期の上限を、政府がこれまで検討してきた「月100時間」などとすることについて、経営への影響も考慮すれば「現実的だ」と評価する姿勢を示しています。
これに対し、連合は「月100時間まで当たり前に働けるという誤解が生じるおそれがある」として、繁忙期の上限を決めるのに先立って、過労死を防ぐための対策の充実を法律に明記することも含めて、対応を示すよう求めています。
さらに、退勤から次の勤務開始までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」について、政府や経団連が「企業の取り組みに委ねるべきだ」として導入に慎重な姿勢を示しているのに対し、連合は、長時間労働の抑制に向け必要だと主張しています。
政府は、今月中旬に開く働き方改革実現会議までに結論を得たいとしていることから、経団連と連合は、それまでに一定の合意を見いだすことを目指しており、過労死対策を強化するための方策の具体化などが協議の焦点となっています。
一方、今は上限規制の例外となっている建設や運輸といった業種の取り扱いをめぐって、加藤働き方改革担当大臣は、3日に石井国土交通大臣と会談し、労使間の協議とは別に、政府が関係団体などとの調整を個別に進めていくことを確認しました。
-- NHK NEWS WEB