日本とロシアの間で政治対話や経済協力が進む中、双方の政府関係者などが都市環境の分野での協力について話し合う会議が、ロシア極東のウラジオストクで開かれ、日本側が、生活用水の水質改善といったインフラの整備などで協力していく方針を示しました。
会議は、3日にロシア極東のウラジオストクで開かれたもので、両国の政府関係者や企業などのおよそ70人が出席しました。
会議では、ウラジオストク市の担当者が、市内では、ソビエト時代の水道管が今も多く使われ、さびによる水の汚れが深刻化しているほか、交通渋滞も慢性化していることなどを説明し、日本の協力を求めました。
これに対して、日本企業の担当者が水の汚れをおさえる特別な技術が施された水道管や、交通量に応じて信号を調整する交通制御システムなどを紹介しました。
日本政府は、北方領土問題を含む平和条約交渉の進展につなげる環境を整えたいと、去年、ロシア側にエネルギーや都市環境の分野を含めた、8項目の協力プランを提案し、両国の間で政治対話や経済協力が進んでいます。
会議に出席した国土交通省の麦島健志大臣官房審議官は「日ロ関係はとても重要なのでどう協力できるか追求していきたい」と述べました。
また、ロシアの地元行政府の担当者は「日本の技術は、どれも有望なものばかりで、できるものから試験的に導入していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB