関西電力は、減額した役員報酬の一部をひそかに補填していた問題について、当時会長だった森詳介元相談役が部下に指示して行ったなどとする社内調査の結果を公表しました。
関西電力は、2011年に起きた東京電力の原発事故のあと業績が悪化し、当時、18人の役員の報酬を減額しましたが、総額2億6000万円をひそかに補填していました。
この問題について会社のコンプライアンス委員会の調査結果が17日、公表され、記者会見が開かれました。
それによりますと、2015年、当時会長だった森元相談役が「報酬の減額が50%を超えた分を役員退任後にカバーできないか」と秘書室に指示したということです。
そして秘書室で検討した結果、森氏の指示を上回る減額が40%を超えた場合、補填することを決めたということです。
調査では森元相談役や当時、秘書室担当だった八嶋康博元常任監査役に法令違反の可能性があると指摘しています。
この問題を巡っては、関西電力はすでに森元相談役など5人の旧経営陣に対して損害賠償を求める訴えを起こしています。
会見に出席した彌園豊一副社長は、記者団から八嶋氏の法的責任を問われ「監査委員会で検討したい」と述べ、追加提訴も検討する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB