先月の日本の貿易額は、中国向けの輸出が7か月ぶりに増加に転じました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で全体としては輸出と輸入ともに減少し、貿易の低迷が続いています。
財務省が発表した貿易統計によりますと、先月の日本からの輸出額は5兆3689億円で、去年の同じ月を19.2%下回りました。
世界的な経済活動の停滞でアメリカへの輸出は航空機向けのエンジンを含む「原動機」や「自動車」などを中心に19.5%減少したほか、EUへの輸出も30.5%の大幅な減少となりました。
ただし、中国への輸出は「アルミなどの非鉄金属」や「半導体などの製造装置」、それに「自動車」が伸びて8.2%の増加ととなり、7か月ぶりにプラスに転じました。
一方、先月の日本の輸入額は5兆3572億円で、去年の同じ月を22.3%下回りました。
この結果、輸出から輸入を差し引いた先月の貿易収支は116億円の黒字となり、4か月ぶりの黒字となりました。
中国では自動車などの一部の業種で経済対策の効果が見られるものの、欧米などでは感染者数の増加を受けて企業活動などを制限する動きもみられ、全体としては貿易の低迷が続く形となっています。
-- NHK NEWS WEB