東京都の小池知事は、記者会見で、都内の新型コロナウイルスの感染状況は引き続き厳しいという認識を示したうえで、感染防止と経済社会活動の両立に向けて追加の補正予算案の検討を指示したことを明らかにしました。
このなかで小池知事は、「新規の陽性者数は高止まりの状況であり、都内全域にも、重症化リスクの高い高齢者にも感染が広がっている。厳しい状況が依然、続いていることから『感染拡大特別警報』が継続している」と述べました。
また、お盆や夏休みの期間が終わって会社や学校での活動が再開するにあたり、夜間の会食では感染防止策を万全にすることや、帰宅後はすぐに手洗いや消毒をすること、それに、タオルやコップなど日用品は家族で別々にすることを徹底してほしいと改めて呼びかけました。
そして、「手を緩めることなく感染防止と経済社会活動の両立のため、さまざまな対策を講じていくことが必要だ」と述べ、9月開かれる予定の都議会の定例会に提出するため、追加の補正予算案の検討を都庁内に指示したことを明らかにしました。
そのうえで、予算案に盛り込む主な内容について、「経済活動への影響の長期化でニーズが増えている中小企業への融資の拡充や、医療提供体制の継続と強化に向けた取り組みなどを想定している」と述べ、具体的な内容や規模などの検討を加速させ、来月初めにも予算案を発表したいという考えを示しました。
このほか、政府の分科会の尾身茂会長が、現在の流行をめぐって、「今後の推移に注意が必要だが、全国的にはだいたいピークに達したとみられる」とする見解を示したことについて、小池知事は、「都内では20日も339人の感染者が出て、重症者も増えてきているという状況で、判断をするには今しばらく対策を講じつつ見ていく必要があると思っている。早くピークアウトの時期が来るように、引き続き協力をお願いしたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB