チェコで憲法上、大統領に次ぐ地位の上院議長が、およそ90人の訪問団を率いて30日から台湾を訪れます。これについて「1つの中国」の原則を主張する中国は強く反発する一方、アメリカは高く評価していて、米中の対立が深まる中での訪問に国際社会の注目が集まっています。
チェコのビストルチル上院議長は、30日から来月4日までの6日間、議員や首都プラハの市長、それに企業関係者などおよそ90人の訪問団を率いて台北などを訪れます。
期間中、ビストルチル議長は、台湾の議会にあたる立法院で演説するほか、蔡英文総統と会談する予定です。
憲法上、大統領に次ぐ地位の上院議長が台湾を訪れるのは初めてで、チェコと国交を結ぶ中国は「1つの中国」の原則に反するとして強く反発し、圧力を強めています。
また、チェコのゼマン大統領やバビシュ首相も、チェコの外交方針に反するなどとして訪問には反対を表明しています。
ただ、チェコ国内では、旧ソビエトの強い影響下にあった時代にも民主化を求めてきた歴史があり、チェコに圧力をかける中国への反発も強く、今回の台湾訪問を支持する声も少なくありません。
また、中国と対立を深めるアメリカはビストルチル議長の決断を高く評価しており、米中の対立が深まる中での訪問に国際社会の注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB