中国企業が運営する動画共有アプリ、「TikTok」をめぐって、トランプ大統領がアメリカ国内での事業を売却するよう命じる中、中国政府は、先端技術の海外移転の規制を強化しました。この中にはTikTokにも採用されているAI=人工知能などの技術が含まれていることから、事業売却が滞る可能性が出てきました。
TikTokをめぐってアメリカのトランプ大統領は、利用者の個人情報が中国政府に悪用され、安全保障を脅かすおそれがあるとして、運営する中国企業バイトダンスに対し、アメリカでの事業の売却を命じています。
中国の商務省と科学技術省は今月28日、海外移転を禁止・制限する技術リストにAIなどを含めた改訂版を公表し、先端技術の海外移転の規制を強化しました。
これについて国営の新華社通信は中国の専門家の話として、バイトダンスはAIやデータ分析などの技術を持っており、アメリカでの事業売却は、今回の規制に触れる可能性があると指摘し、「交渉を停止する必要があるかどうか慎重に検討すべきだ」と伝えました。
また、中国メディアによりますと、バイトダンスは30日、商務省などが規制を強化したことについて「厳格に順守する」と発表しました。
TikTokのアメリカでの事業売却をめぐっては、IT大手のマイクロソフトなどが名乗りを挙げていますが、中国政府の規制強化で事業売却が滞る可能性が出てきました。
-- NHK NEWS WEB