EU=ヨーロッパ連合は、新型コロナウイルスの影響でレアメタルなど重要な原材料の供給への不安が高まっているとして、中国をはじめとする域外への依存度を下げ、自前での生産や再利用技術の確立などを目指すことになりました。
EUは気候変動対策を推し進めていることなどから、電気自動車のバッテリーに使われるリチウムなどのレアメタルや希少な資源、レアアースの需要が域内でさらに高まると見込んでいます。
しかし、レアアースの98%を中国から輸入するなど、域外への依存度が高いうえ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で供給への不安が高まっているとして、EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は3日、依存度を下げるための行動計画を発表しました。
それによりますと、EU域内の企業や政府系の機関で「原材料連合」を作り、合わせて30種類のレアメタルやレアアースについて採掘から生産まで自前で行うことを目指します。
一方で、域内の埋蔵量は限られ、生産コストが課題となるため、これらの原材料を再利用する技術の確立や域外の調達先の多様化も同時に進めるとしています。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、さまざまな製品のサプライチェーンを見直す動きが世界的に広がる中、EUも経済や産業の安全保障を重視する姿勢を打ち出した形です。
-- NHK NEWS WEB