民間の銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、8月は573兆円余りと、これまでで最も高くなりました。
新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しくなっている企業や個人事業主への融資が引き続き増えていることがうかがえます。
日銀が8日発表した「貸出・預金動向」によりますと、全国の民間の銀行と信用金庫の企業や個人向け融資の残高は、先月1か月間の平均で573兆7897億円と、比較が可能な2000年以降で最も高くなりました。
去年の同じ月を6.7%上回り増加率も最も大きくなっています。
金融機関は新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しくなっている企業や個人事業主への融資を増やしていて、こうした傾向が続いていることがうかがえます。
ただ今後の見通しについて日銀は「大企業の資金需要はおおむね一巡したとみられる。中小企業向けの融資は当面増加する可能性が高いが、増加のペースは鈍化も見込まれる」としています。
一方、民間銀行への預金の残高は、先月1か月間の平均で去年の同じ月を8.8%上回る788兆6462億円となり残高は最も高く上げ幅も最大となりました。
現金10万円の一律給付や家計が消費を抑制して預金を増やしていることなどが要因とみられています。
-- NHK NEWS WEB