中国の王毅外相は、北京で開かれた国際会議で演説し、中国のIT企業への制裁を強めるアメリカを念頭に「安全保障を口実にほかの国の先端企業を追い立てるのはあからさまないじめだ」と批判したうえで、データの取り扱いに関する国際的なルールを策定するべきだと主張しました。
王毅外相は8日、北京で開かれた、データの管理や情報通信技術について話し合う国際会議で演説しました。
この中で王外相は、技術革新が急速に進む中、データの価値を利用することが経済成長の原動力となっていて、その管理には多国間の協力が必要だと述べました。
そのうえで、中国のIT企業への制裁を強めるアメリカを念頭に「個別の国が単独主義をふりかざしている」と指摘し、「安全保障を口実にほかの国の先端企業を追い立てるのはあからさまないじめだ」と批判しました。
そして、データの取り扱いには国際的なルールが必要だとして、個人情報の違法な収集を禁止すること、ほかの国が自国のデータを管理する権利を尊重すること、それに通信関連の製品に情報を不正に抜き取る「バックドア」と呼ばれる機能を付けないことなど、新たなルールの策定を呼びかけました。
これらの主張は、アメリカが中国のデータ管理を批判する際に理由として挙げるものがほとんどです。
中国としてはこうした指摘は当たらないとしたうえで、国際的なルールづくりを主導する姿勢を示すことで、IT分野で激しく対立するアメリカに対抗するねらいもあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB