中国の習近平国家主席と王毅外相は8日演説し、名指しは避けながらも相次いでアメリカを批判しました。大統領選挙を控え、中国に一段と厳しい姿勢をとるアメリカに対抗する動きを強めているものとみられます。
北京の人民大会堂では、8日、中国の最高指導部が一堂に会し、新型コロナウイルス対策の功労者を表彰する式典が開かれました。
この中で演説した習近平国家主席は、中国は世界に先駆けてウイルスを抑え込んだとして、「中国の政治体制や社会制度の優位性が証明された」と主張しました。
そのうえで「責任を他人になすりつけ、物事の白黒を混同させることは世界各国の人々を傷つける」と述べ、名指しは避けながらも中国の対応が世界的な感染拡大を招いたと批判するアメリカのトランプ政権を批判しました。
また、王毅外相も8日、北京で開かれたデータの管理や情報通信技術について話し合う国際会議で演説し、中国のIT企業への制裁を強めるアメリカを念頭に、「安全保障を口実に、ほかの国の先端企業を追い立てるのはあからさまないじめだ」と批判しました。
習主席と王外相が同じ日に演説し、相次いでアメリカを念頭に批判した背景には、大統領選挙を控え、中国に一段と厳しい姿勢をとるアメリカに、中国指導部として対抗する動きを強めるねらいがあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB