ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議が開かれるのを前に、日米両政府は、メコン川流域の電力網などのインフラ整備を加速するため、関係国との連携を強化するとした共同声明を発表し、この地域で影響力を強める中国をけん制するねらいがあるとみられます。
ASEANの一連の外相会議はテレビ会議形式で開かれ、会議には日本の茂木外務大臣やアメリカのポンペイオ国務長官らが参加しています。
これを前に日米両政府は8日、東南アジア最長の川であるメコン川流域のインフラ整備について、共同で閣僚声明を発表しました。
この中で、メコン川流域のベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーの5か国では、経済成長に伴い電力需要が急増しており、電力網などの整備が喫緊の課題だと指摘しています。
そのうえで、インフラ整備を加速させるため、関係国や地元の電力会社などとの連携を強めたり、技術支援を進めたりするとしています。
メコン川流域では、これまで中国が多額のインフラ投資を行ってきたほか、先月には中国が新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功すれば、流域国に優先的に提供する意向を示すなど、影響力を強めています。
南シナ海の問題をめぐって中国との対立を深めるアメリカとしては、日本と連携してメコン川流域でのインフラ整備に力を入れる姿勢を示すことで、中国をけん制するとともに、各国の取り込みを図るねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB