アメリカのポンペイオ国務長官はASEAN=東南アジア諸国連合の外相らとの会議に出席し、中国が南シナ海のほぼ全域の権益を主張するのは「完全に違法だ」との立場を改めて表明したうえで、中国に対抗するために、アメリカとの連携のさらなる強化を呼びかけました。
アメリカのポンペイオ国務長官は10日、日本時間の午前10時すぎからASEAN10か国の外相とのテレビ会議に出席しました。
会議の中で、ポンペイオ長官は中国が南シナ海のほぼ全域の権益を主張するのは「完全に違法だ」との立場を改めて表明しました。
そして「中国はASEAN各国の独立や主権、平等という民主主義的価値観を尊重していない。中国がわれわれの国や人々を踏みにじることを許してはならない。アメリカは必ずあなたたちを助ける」と述べ、中国に対抗するために、アメリカとの連携のさらなる強化を呼びかけました。
トランプ政権は、8月には南シナ海の人工島の造成などに関わったとして中国企業に制裁を科すなど、中国の海洋進出に対抗する姿勢を強めており、ポンペイオ長官としては、東南アジア諸国との連携を強化することで、対中包囲網を構築するねらいがあるとみられます。
これに対し中国の王毅外相は、9日行われた東アジアサミットの外相会議でアメリカを名指しして「南シナ海の平和を損なう最も危険な要素になりつつある」と強く批判するなど反発を強めており、米中の応酬が激しさを増しています。
-- NHK NEWS WEB