北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件で、マレーシア政府が、捜査を繰り返し非難してきた北朝鮮大使の国外退去を求めたのに対し、北朝鮮も同様の対抗措置を発表し、両国の対立がエスカレートしています。
北朝鮮のキム・ジョンナム氏が猛毒のVXで殺害された事件で、マレーシア外務省は、警察の捜査を繰り返し非難してきたマレーシア駐在の北朝鮮のカン・チョル大使を、外交関係を定めた国際条約の「好ましくない人物」に当たるとして国外退去を求め、カン大使は6日夜、クアラルンプール国際空港から出国しました。
これに対し、北朝鮮外務省も6日夜、北朝鮮駐在のマレーシア大使を「好ましくない人物」としたうえで、国外退去を求めると発表しました。
このマレーシア大使は先月21日に北朝鮮を離れ、すでに一時帰国していますが、今回の北朝鮮の発表はマレーシアへの対抗措置と見られ、両国の対立がエスカレートしています。
この事件をめぐって、マレーシアの警察は、北朝鮮大使館の2等書記官と国営の航空会社の職員から事情を聴きたいとして北朝鮮に協力を求めていますが、両国の関係が悪化の一途をたどる中、全容解明に向けた協力を得るのは非常に難しい情勢になっています。
-- NHK NEWS WEB