アメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党のバイデン候補は、企業の国内回帰に向け、海外での生産などに追加の税を課すなどとした新たな政策を発表しました。選挙戦の行方を左右する激戦州の労働者層に支持を訴えるねらいがあると見られます。
民主党の大統領候補、バイデン氏は9日、激戦州の1つで、製造業が集積する「ラストベルト」の一角、中西部ミシガン州を訪れ、新たな政策「メード・イン・アメリカ税制」について演説しました。
新たな政策では法人税について海外での生産などで国内で得た利益については、税を上乗せし、税率を30.8%にするとしています。
その一方で、国内の工場の再開や海外からの生産拠点の移転など、国内での雇用の創出に向けた取り組みを行う企業については法人税を一部、控除するとしています。
演説でバイデン氏は「アメリカの企業を罰することが目的ではない。アメリカで生産し、われわれの地域社会、労働者に投資しようということだ」などと述べて、支持を訴えました。
民主党は、前回の大統領選挙ではラストベルトの労働者層の支持を失ったことが敗因の1つとされていて、バイデン陣営としては企業の国内回帰に向けた大胆な政策を打ち出すことで、選挙戦の行方を左右する激戦州の労働者層に支持を訴えるねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB