「ドコモ口座」を通じて銀行の預金が不正に引き出された問題で、これまでに確認された被害は全国の12の銀行で、合わせて1990万円にのぼり、被害の拡大が続いています。
NTTドコモが手がける「ドコモ口座」は、銀行口座を登録して入金すれば「d払い」で買い物や送金ができるサービスで、この口座を通じて銀行預金の不正な引き出しが相次ぎました。
NTTドコモによりますと、確認された被害は11日午前0時の時点で全国12の銀行で73件、合わせておよそ1990万円にのぼり、被害の拡大が続いています。
また、ドコモ口座と連携している35行のうち18行が銀行の口座から預金を引き出し、ドコモ口座にチャージするといった口座間の送金を停止しました。
NTTドコモは10日の記者会見で、各社との競争が激しくなる中、顧客を増やすために口座を開く手続きを簡単にした結果、本人確認が不十分となり、悪意のあるユーザーによるなりすましを防げなかったことを認めました。
会社は、被害を受けた人に対し全額を補償するとともに、再発防止を徹底するとしていますが、ビジネスの拡大を急いだことが裏目に出て、顧客の資金を守るセキュリティーの不備が見過ごされていた形で、今後、信頼を回復できるかが問われることになります。
-- NHK NEWS WEB