中国で、地方がばく大な債務を抱えて経済や金融への影響が懸念されている問題で、中国の財政相は「一部で返済能力が弱まっている」と認めたうえで、リスクを抑える対策を強化する方針を示しました。
中国政府は、地方の省や県などが事業を行うために発行した地方債の総額が去年末で15兆3200億人民元(250兆円余り)に上ると公表しました。
地方債は借金に当たるもので、国有企業の債務の保証なども含めると、地方が抱える実際の負債はさらに膨らむとの見方もあり、ばく大な債務の処理の在り方が問題になっています。
これについて、肖捷財政相は7日の記者会見で、「一部の地方では違法な借金や保証をしていて、返済能力が弱まっている」と認めました。そのうえで、肖財政相は「全体としてリスクは制御可能だ」と述べ、地方の債務を管理する特別チームを各省などに設け、返済が滞る前に対処する仕組みを厳しく適用し、違法行為の摘発に力を入れるなど、経済や金融に大きな影響が及ばないよう、リスクを抑える対策を強化する方針を示しました。
一方、中国政府は、全人代=全国人民代表大会に提出したことしの予算案に関する報告で国防費を明示せず、国営の新華社通信を通じて明らかにする異例の対応をとりましたが、肖財政相は「報告の表記を改めただけで、『不透明だ』という懸念はあたらない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB