旭化成の子会社がくい打ち工事のデータを流用していた問題で、調査を担当していた子会社の社員が、不正が公表される前に旭化成の株を売って損失を免れていたことがわかり、証券取引等監視委員会はこの社員に対し課徴金を科すよう金融庁に勧告しました。
課徴金の対象となったのはくい打ち工事で、データの流用や改ざんを繰り返していた旭化成の子会社、「旭化成建材」に勤める50代の男性社員です。
証券取引等監視委員会によりますと、旭化成はおととし10月、横浜市内の大型マンションについてデータの流用を初めて公表し、株価が大きく値下がりしましたが、この社員は直前に保有していた旭化成の株を売却し、27万円の損失を免れたということです。旭化成によりますと、この社員は当時、社内で問題の調査を担当していたということです。
監視委員会は、金融商品取引法に違反するインサイダー取引にあたるとしてこの社員に63万円の課徴金を科すよう金融庁に勧告しました。これについて旭化成は「誠に遺憾で、関係者のみなさまに深くお詫びします。勧告を真摯に受け止め、再発防止につとめます」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB