政府が長時間労働の是正に向け検討を進める中、時間外労働の上限規制の例外となっている運輸業の業界団体の代表は石井国土交通大臣に対し、規制を導入する場合は猶予期間を設けるよう要望しました。
政府は、長時間労働の是正に向けて罰則つきの時間外労働の上限の導入を検討していますが、そもそもトラックやバス、タクシーといった運輸業に携わる人は、月45時間、年間360時間といった上限規制の例外として適用されていません。
これについて石井国土交通大臣は7日夜、運輸業の3つの業界団体の代表と会談し、「今の仕組みを見直したほうが業界の将来にプラスだ。思い切った対応をお願いしたい」と述べ、時間外労働の上限規制の導入が望ましいという考えを示しました。
これに対し、業界団体の代表からは運転手の不足が懸念されるなどとして、それぞれ、導入する場合は相当の猶予期間を求める意見が出されたということです。
運輸業と同じように上限規制の例外となっている建設業の大手などで作る業界団体は先週、規制の導入に賛同したうえで、東京オリンピック・パラリンピック後の段階的な導入を求める考えを示しています。
国土交通省では、こうした要望を長時間労働の是正に向けた政府の議論に反映させることにしています。
-- NHK NEWS WEB