個人が保有する預金や株式などの金融資産は、ことし6月末時点で合わせて1883兆円と、3か月前より55兆円増えたことが日銀の統計で分かりました。企業の借り入れなども過去最高となっていて、今回の統計からは新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込む中、運転資金をなんとか確保しようという企業の姿がうかがえます。
日銀が18日発表した3か月ごとの「資金循環統計」によりますと、個人が保有する預金や株式、それに保険などの金融資産の合計は、ことし6月末時点で1883兆円となり、3か月前より55兆円、率にして3%増えました。
このうち、現金と預金は、政府による一律10万円の現金給付の影響などから、合わせて1031兆円と、これまでで最も多くなりました。
また、ことし6月末時点で企業が保有する現金と預金は、合わせて308兆円と3か月前より29兆円増えたほか、企業の借り入れも合わせて457兆円と3か月前より32兆円増え、いずれも過去最高を更新しました。
統計からは、新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込む中、実質無利子・無担保融資の活用などで、運転資金をなんとか確保しようという企業の姿がうかがえます。
日銀は「個人、企業ともに手元の資金を増やして不透明な状況に備えようという傾向がみられる」としています。
-- NHK NEWS WEB