三菱自動車工業は、電気自動車「アイ・ミーブ」の生産を終了する方向で調整に入りました。11年前に、世界にさきがけて量産を始めた電気自動車でしたが、その後、国内外のメーカーが相次いで参入し、販売が低迷していました。
三菱自動車の「アイ・ミーブ」は、2009年に世界のメーカーに先駆けて一般向けの販売が始まった小型の電気自動車で、温室効果ガスを出さない本格的なエコカーとして注目されました。
しかし、国内外のメーカーが電気自動車の分野に参入する中、走行できる距離や価格の面で競争力が乏しくなり、2019年度の販売台数は世界で数百台にとどまっていました。
このため、関係者によりますと「アイ・ミーブ」の生産を来年3月までに終了する方向で調整に入りました。
三菱自動車は現在、充電もできるPHEV=プラグインハイブリッド車に力をいれているほか、連合を組む日産自動車と新しい電気自動車の開発も検討していて、こうした分野に経営資源を移し、業績の立て直しを図るねらいがあるとみられます。
三菱自動車は、ことし7月には会社の看板だった四輪駆動車「パジェロ」の生産をやめることも決めていて、かつてのシンボル的な車が相次いで姿を消すことになります。
-- NHK NEWS WEB