厚生労働省が昨年度、立ち入り調査を行った全国3万余りの事業所のうち、労使協定の上限を超えて残業をさせるなど、違法な時間外労働が確認できたのは全体の半数近くに上ったことがわかりました。
厚生労働省は昨年度、労働者から申告があるなど、長時間労働が疑われる全国の事業所3万2981か所に立ち入り調査を行いました。
その結果、
▽残業をするために必要となる労使協定がなかったり、
▽労使協定の上限を超えて残業させたりするなど
違法な時間外労働が確認されたのは1万5593か所と、全体の47.3%に上りました。
このうち1か月の残業が
▽過労死ラインとされる80時間を超えるケースが確認されたのは5785か所、率にして37.1%で、
▽150時間を超えるケースがあったのは730か所、4.7%ありました。
長時間労働の是正に向けては、働き方改革関連法が施行され、去年4月から大企業で時間外労働の上限規制が始まったほか、ことし4月からは中小企業も対象となっています。
厚生労働省によりますと昨年度、接客・娯楽業の大企業で1か月に130時間の時間外労働が確認され、労働基準監督署が是正勧告をしたケースもあったということです。
厚生労働省は「1か月に80時間を超える残業が確認された事業所は前の年度よりも減っているが、長時間労働などによる健康被害は依然として相次いでいるのが実態だ。長時間労働の是正に向けて引き続き取り組みたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB