アメリカのトランプ政権は中国のSNS、ウィーチャットについて、アメリカ国内でのアプリの配信などを20日から禁止すると発表していましたが、現地の裁判所はこれを一時的に差し止める命令を出しました。
トランプ政権は動画共有アプリのTikTokやSNSのウィーチャットについて、利用者の個人情報が中国政府に悪用されるおそれがあるとして、今月20日からアメリカ国内でアプリの配信や送金機能などを禁止すると発表していました。
TikTokについてはアメリカ企業との提携交渉に進展があったことを受けて禁止の期限を今月27日に延期した一方、ウィーチャットについては変更していません。
アメリカに住むウィーチャットの一部の利用者は、サンフランシスコにある連邦地方裁判所に禁止措置の差し止めを求め、裁判所は19日、訴えを一部認めて、禁止措置を全米で一時的に差し止める命令を出しました。
理由について裁判所は「ウィーチャットは英語が不自由な中国系の人々にとって不可欠な連絡の手段になっている」などとしたうえで、ウィーチャットが安全保障上の脅威になっているという政権の主張は根拠に乏しいと指摘しています。
IT分野でトランプ政権は、中国に対する締めつけを強化していることから今回の命令を受けた今後の対応が注目されます。
-- NHK NEWS WEB