デジタル技術を使った新型コロナウイルス対策で世界的に注目を集める台湾のデジタル担当の閣僚、唐鳳氏、英語名、オードリー・タン氏が日本の中学生や高校生らを対象にオンラインで授業を行い「皆さんの声で世界は変えられる」とメッセージを送りました。
授業はオンライン教育に取り組む日本の企業「InspireHigh」がオードリー・タン氏に依頼して実現し、日本の中学生や高校生などおよそ1000人がスマートフォンのアプリを使って参加しました。
オードリー・タンさんは39歳。
4年前、デジタル担当の閣僚に就任し、台湾のデジタル政策を指導するとともに、インターネットで寄せられる市民の声を政策に生かす仕組みを取り入れました。
新型コロナ対策ではマスク不足が課題となる中、薬局のマスクの在庫が一目で分かるネット上の地図の開発を実現するなどその手腕は世界的に注目されています。
タン氏は、市民の意見をもとに毎週、マスクの地図システムの改良を繰り返したエピソードを紹介しながら、「デジタル社会では利用する市民の声を生かし、より役立つものにすることが最も大切です」と話しました。
そのうえで「社会への参加も同じで年齢や学歴は関係ありません。
SNSなどを使って自分の声を届けましょう」と呼びかけました。
最後にタン氏は「皆さんが世界を変えることができます。
完璧な提案は必要ありません。
アイデアをほんの少しの人に伝えることさえできれば、それがどんどん広がって新たな世界を作るのです」と伝えました。
都内の自宅でオンライン授業に参加した高校3年生の堀井里南さんは「これまであまり政治に関心を持っていませんでしたがオードリー・タンさんはデジタルを使って政治に参加しやすい仕組みを作っていて、これからは、私たちの世代でもできることがあると感じました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB