二酸化炭素の排出量の削減に向けて、経済産業省は、完全にゼロにはできず、段階的に削減していこうとする企業も資金を集めやすくなるよう投資家向けの新たな評価基準をつくることになりました。
地球温暖化対策の枠組み、「パリ協定」の発効をきっかけに環境への取り組みなどを重視して投資先の企業を選ぶいわゆる「ESG投資」が世界的に広がっています。
しかし、太陽光や風力発電の導入など二酸化炭素の排出量がゼロになる事業を対象に投資が行われるケースが多く、排出が避けられない一部の企業にとっては不利だという指摘も出ています。
このため、経済産業省は、段階的であっても排出量を削減しようとする企業が資金を集めやすくなるように投資家向けの新たな評価基準をつくることになりました。
基準には、二酸化炭素の削減量と達成までのスケジュールなどを評価の対象に盛り込む方向で検討を進めます。
これによって▽製紙会社が設備の燃料を石炭からLNGに切り替えたり、▽鉄鋼会社がIT技術で高炉の温度を効率的に管理したりすることで排出を抑え、資金も集めやすくなると見込んでいます。
経済産業省は、環境省や金融庁など関係省庁と協議したうえで、来年秋をめどに具体的な基準を公表したいとしています。
-- NHK NEWS WEB