日本で開発されたとみられるブドウやイチゴなど36品種の農作物の種や苗が、開発者が知らずに中国や韓国のネット通販で販売されていた可能性があるという、民間の調査結果がまとまりました。農林水産省は、輸出に深刻な影響を及ぼしかねないとして、開発者に海外でも品種登録を行うよう促しています。
この調査は、国内の種苗メーカーや販売会社などで作る団体が、農林水産省の委託を受けてことし7月に行いました。
発表によりますと、日本で開発されたブドウやイチゴ、イネなど、737品種の農作物の種や苗について、中国と韓国のネット通販での販売状況を調べた結果、開発者が知らずに販売されていた可能性がある品種が36に上ったということです。
このうち、ブドウの「シャインマスカット」は中国と韓国の合わせて37のサイトで、イチゴの「紅ほっぺ」は中国の28のサイトで販売されていた可能性があるとしています。
農林水産省によりますと、正規に販売された種や苗の海外への持ち出しは規制されていないため、海外で栽培されたり、できた農作物が輸出されたりするケースもあるということです。
農林水産省は、農作物の輸出戦略に深刻な影響を及ぼしかねないとして、開発者に海外でも品種登録を行うよう促すとともに、海外への持ち出しを規制する法改正を目指しています。
農林水産省は「日本の品種は人気があり、流出のリスクが高いことを理解し、対策をとってほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB