27日夜、愛知県犬山市にある大手化学繊維メーカーの工場から火が出て、2人が死亡、1人がけがをした火災で、煙が出ているのが確認された機械は当時、電源は入っていたものの、稼働を停止した状態だったことが会社側の説明で分かりました。警察と消防は29日、現場検証をして詳しい原因を調べることにしています。
27日午後9時ごろ、犬山市にある大手化学繊維メーカー「東洋紡」の犬山工場から出火し、火はおよそ11時間後に消し止められましたが、鉄骨2階建ての建物と、中にある機械が焼けました。
建物の中にいた、愛知県一宮市の高橋清文さん(55)と、岐阜市の町方暁彦さん(37)の2人が一酸化炭素中毒で死亡し、34歳の男性社員が、のどなどに軽いやけどをしました。
夕方、東洋紡の渡邉賢副社長が、現地で会見を開き「亡くなった従業員のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族には心よりお悔やみ申し上げます」と述べたうえで、工場周辺の住民に謝罪しました。
渡邉賢副社長は、建物では食品を包装するフィルムを製造していて、合成樹脂を熱処理して引き伸ばす機械から煙が出たとしたうえで、機械は当時、電源は入っていたものの清掃のため、いったん稼働を停止した状態だったと説明しました。
高橋さんは勤続30年のベテランで、当時、機械の清掃作業を終えて再稼働の準備を、町方さんは勤続15年の中堅社員で、隣の生産ラインで作業をしていたということで、火災時の対応マニュアルに従って初期消火を行おうとしたものの、勢いの強い煙に巻かれたということです。
警察と消防は29日、現場検証をして詳しい原因を調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB