経営再建を進める東芝は、不振が続いていた自動車向けに生産していたシステムLSIと呼ばれる半導体事業からの撤退を決め、従業員770人を対象に希望退職の募集や、ほかの部署への再配置を進めることになりました。
発表によりますと東芝は、子会社が手がけている半導体事業のうち、自動車向けの画像処理センサーなどを含むシステムLSIと呼ばれる事業から撤退することを決めました。
システムLSIは、自動運転のセンサーが周囲の状況を認識する際の画像の処理に使われますが、ほかのメーカーとの開発競争が激しく、3年前から事業の赤字が続いていたということです。
事業にかかわる770人の従業員に対しては、来年2月までに早期退職を募集したり、ほかの部署に再配置したりする計画で、早期退職の募集に応じた従業員については再就職を支援するとしています。
事業の撤退によって、今年度は118億円の追加の費用がかかりますが、業績見通しは従来の予想を据え置くとしています。
経営再建中の東芝は、不採算の事業を見直すなど構造改革を進めていて、米中の貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響をできるだけ抑えられる経営体質を目指したいとしています。
-- NHK NEWS WEB