WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの検査体制を強化するため、今後、途上国などに1億2000万回分の簡易検査キットを配布すると発表しました。
アフリカなどの途上国では、新型コロナウイルスの検査体制がぜい弱で、感染者の症状の悪化や感染の拡大につながっていると指摘されています。
WHOのテドロス事務局長は28日、スイスのジュネーブで定例の記者会見を開き、感染症対策に取り組む国際的な基金「グローバルファンド」などとともに、今後、途上国などに1億2000万回分の簡易検査キットを配布すると発表しました。
配布される簡易検査キットは、2種類でアメリカと韓国の企業がそれぞれ開発しました。
検査の費用は1回あたり5ドル以下で、15分から30分で信頼できる結果が得られるほか、PCR検査とは異なり、検査を行うための訓練を受けた医療従事者がいない場所でも簡単に行えるということです。
テドロス事務局長は「感染者を早期に把握できれば、治療や隔離、追跡を速やかに行うことができる」と述べ、世界的な検査体制の強化が重要だと強調しました。
簡易検査キットは今後、アフリカや南アメリカをはじめとする世界133の途上国などに配布されることになります。
-- NHK NEWS WEB