茨城県の常磐自動車道や愛知県と静岡県の高速道路であおり運転をしたとして強要などの罪に問われた44歳の会社役員に対し、水戸地方裁判所は執行猶予のついた懲役2年6か月の有罪判決を言い渡しました。
会社役員の宮崎文夫被告(44)は、去年8月、茨城県守谷市の常磐自動車道で、あおり運転をして会社員の男性の車を本線上に無理やり停車させ、男性を殴ってけがをさせたほか、前の月には愛知県岡崎市と静岡県浜松市の高速道路でもあおり運転をしたとして、強要と傷害の罪に問われました。
これまでの裁判で検察は懲役3年8か月を求刑したのに対し、弁護士は執行猶予の付いた判決を求めていました。
2日の判決で水戸地方裁判所の結城剛行裁判長は「被告の行為は重大な事故を引き起こしかねず危険極まりないものだった。運転を妨害されたと感じ、やられたらやり返そうという動機自体が自己中心的で身勝手だ」と指摘しました。
一方で、「同様の事件の量刑の傾向に照らすと、この事件の社会的影響などを加味して実刑にするのは、公平な量刑を逸脱しかねない」などと述べ、保護観察の付いた懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を言い渡しました。
最後に結城裁判長は「執行猶予を付けたのは4年たっても事件を起こさないと裁判所が信じた結果です。それを裏切らないようにしてください」と諭しました。
宮崎被告はまっすぐ裁判長を見て判決を聞いていて、最後に証言台に立った際には深々と一礼していました。
-- NHK NEWS WEB