中部空港を拠点とするLCC=格安航空会社の「エアアジア・ジャパン」は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ需要の回復が見通せないとして、4つの路線すべてを12月5日で廃止して、日本から撤退することを正式に発表しました。
アジア最大規模のマレーシアの格安航空会社などが設立した「エアアジア・ジャパン」は、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少し、ことし4月にすべての路線を一時運休しました。
その後、8月にいったん運航を再開しましたが、需要の回復が想定を下回り、今月は再びすべての路線を運休する方針を示していました。
この間、6月には希望退職を募り300人ほどの従業員のうち、およそ70人が応じるなど、経営の効率化を進めていました。
しかし、今後も需要の回復が見通せないとして、国土交通省に、4つの路線すべてを12月5日で廃止することの届け出を済ませ、日本から撤退することを正式に発表しました。
エアアジア・ジャパンは、3年前、中部空港を拠点に運航を始め、大手より安い運賃を売りに新千歳空港や仙台空港、福岡空港、それに台湾の台北を結ぶ4つの路線を展開してきました。
航空業界は、新型コロナウイルスの影響で厳しい経営状況が続いていて、世界およそ290の航空会社が加盟するIATA=国際航空運送協会は、ことし6月、航空業界のことしの最終的な損益が、およそ9兆円の赤字に陥るという見通しを示しています。
-- NHK NEWS WEB