蛍光灯などの光が当たると空気中の細菌やウイルスを分解する物質をホテルの客室内などに吹きつけ、効果を確かめる実証実験が、北九州市で始まりました。
九州工業大学の横野照尚教授の研究室では、福岡市の医療機器メーカーと共同で、紫外線に当たると空気中のウイルスや細菌を分解する光触媒という物質の研究を進め、蛍光灯やLEDライトなどの光でも同じ効果を発揮する新たな光触媒を開発しました。
この光触媒の効果を確かめる実験が5日から北九州市のホテルで始まりました。
実験では光触媒を客室やレストランなどの壁や天井に吹きつけ、およそ2か月間、細菌やウイルスの数を定期的に観測して減少のペースなどを調べます。
横野教授によりますと、別の場所で行ったこれまでの実験では、インフルエンザウイルスが6時間で1000分の1に減ったということです。
横野教授は「ふだん人が生活している状態で効果が発揮できるかがポイントなので、さまざまな環境で調べていきたい」と話していました。
また、実験が行われているJR九州ステーションホテル小倉の黒木俊彦社長は「目に見えないウイルスが相手なので、こうした光触媒を含めて、さらなる安全安心の取り組みを考えていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB