9年前、北陸3県などにあった焼き肉チェーン店で集団食中毒が発生し5人が死亡した事件で、富山地方検察庁は検察審査会の「不起訴不当」の議決を受けて業務上過失致死傷の疑いで再捜査していた経営会社の元社長らについて、再び不起訴にしました。集団食中毒をめぐる一連の捜査はこれで終結しました。
平成23年4月、焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の北陸3県などにあった店舗で生肉のユッケなどを食べた181人が病原性大腸菌が原因の食中毒になり、このうち子ども3人を含む5人が死亡しました。
チェーンの経営会社の元社長と仕入れ先の会社の元役員が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されましたが、平成28年に検察は2人を不起訴にしました。
これに対し検察審査会が去年6月「不起訴不当」の議決をしたことを受けて、検察が再捜査をしていました。
その結果、検察は7日、2人を嫌疑不十分で再び不起訴にしました。
検察は、菌に強い毒性があり、肉の表面を削り取っても内部に入り込む特性は当時一般的に知られておらず、集団食中毒を事前に予測したり対策を講じたりすることは難しかったとしていて、議決の指摘を踏まえても刑事責任を問うのは困難だと結論づけました。
検察審査会の議決が「不起訴不当」の場合、2回目の審査は行われないため、集団食中毒をめぐる一連の捜査はこれで終結しました。
-- NHK NEWS WEB