働く人1人当たりの、ことし8月の給与総額の平均は27万円余りと、去年の同じ月を1.3%下回り、5か月連続でマイナスとなりました。厚生労働省は「残業代などのマイナス幅は小さくなってきているが、新型コロナウイルスの影響が続いている」としています。
厚生労働省は従業員5人以上の全国3万余りの事業所を対象に「毎月勤労統計調査」を行っていて、ことし8月の速報値を9日に公表しました。
それによりますと、基本給や残業代などを合わせた働く人1人当たりの、ことし8月の現金給与総額は平均で27万3263円でした。
これは去年の同じ月と比べて1.3%減少していて、5か月連続でマイナスとなりました。
残業代などの所定外給与は、ことし4月以降、大幅な減少が続いていて、8月は1万6617円と、去年の同じ月より14%減少しました。
また、基本給などの所定内給与は、去年の同じ月より0.1%減って24万4547円となり、1年2か月ぶりのマイナスとなりました。
一方、物価の変動分を反映した実質賃金は、去年の同じ月を1.4%下回り、6か月連続でマイナスとなっています。
厚生労働省は「残業代などのマイナス幅は小さくなってきているが、新型コロナウイルスの影響が続いている。基本給などの所定内給与がマイナスに転じた理由は詳しくは分からないが、手当てなどが削減された可能性も考えられ、今後の動向を注視しなければならない」としています。
-- NHK NEWS WEB